[仕事の繰言] あ~ぁ、つぶれちゃった 売り込みを図っていた産業用工具は基本的にロボットへの組み込みを前提に開発したので、当然ながら他社製のロボット周辺装置との連携も考えておかなければならない。そんな国内周辺装置メーカーS社 (仮名) を訪問したときの事だ。目的の技術検討を終わらせた後に業界動向の世間話をしていたところ、 同じ装置業界のメーカーZ社 (仮名) が倒産 してしまった、とS社の担当が話題を振ってきた。因みにZ社はS社の競合会社であった。 私:「は~、どこも競争が厳しいのですね」 S:「うちとしては競合が減るのは有難い事ですけど、Zさんとは技術でも競争してたのでねぇ。技術者としてはちょっと残念ですよ。あの技術はどうなるのかなぁ」 ワタシも技術者の末席にいたので気持ちは分かる。 ビジネスと技術は別の問題 だ。 私:「Zさんで何かトラブルがあったのですか」 S:「資金繰りですよ。うちらみたいな中小はどこも自転車操業ですよね。でも意外でした、 ZさんにA社 (あくまで仮名ですよ) のビジネスを取られたときは、うちが倒れるかと思った のですがね」 えっ! 私:「あのスマホの?」 S:「商談の大きさが桁違いだったので、いろいろ頑張ったんですけどね。結局Zさんに取られちゃった」 私:「性能差ですか?価格かな?」 S:「いや~、A社にはいろいろ聞いたのですがね、負けた理由を明確には教えてくれなかったのですよ。でも、雰囲気的には技術情報開示を渋ったのが原因だったのかなぁと私は勝手に思ってます」 それにしても、と彼は続ける。 S:「Zさん、可哀そうですよね。なんでも、A社生産ラインの急拡大で納入装置を大量に作る必要があって、設備投資をした後に需要がクラッシュしちゃったらしいんですわ。結局、 投資が回収できずにそれが資金ショートの切っ掛けだった とか」 な、なんだか急に不安になってきたぞ。 (続く)