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「歴史上の本人」 南伸坊

[読書の繰言] 「歴史上の本人」 著:南伸坊     ISBN4-02-264231-9 (読了:2014年10月19日) 馬鹿々々しさが突き抜け天才に!! エンターテイメントが哲学に転化している。脱帽。 「自壊する帝国」 著:佐藤優     ISBN978-4-10-133172-0  (読了:2014年10月19日) やはり本物のリベラルアーツは不滅だ。四半世紀を経て地金が輝いている。 「シャーロック・ホームズの科学捜査を読む」 著:E・J・ワグナー     ISBN978-4-309-20517-5  (読了:2014年10月19日) 淡々とした記述が大変よろしい。無理がない。

奇跡の本棚

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[読書の繰言:戻らぬ日々 5] 「早川書店」奇跡の本棚 (時期:1980年代末期)  子供の頃から内向的だったワタシの友達は「本」だけだった。お金がなく「立ち読み」が目的のワタシは、店員から怒られないように隅っこに目立たないスペースのある本屋ばかりをハシゴしていた。独りぼっちの、でも至福の時間だった。  1985年に就職して関東に来ると「神田」というとんでもないブラックホールの引力圏に近づいたが、それでも行くにはそれなりの時間が必要。バブルに向かって駆け上がる日本の最末端サラリーマンに週末など無い。月に二回有るか無いかの休日に、最低限の必需品を買いに近くの商店街に行く。その帰り道、小さな本屋を見つけた。 「 早川書店 」 本に飢えていたワタシは引き寄せられるようにその本屋に入った。一見なんの変哲もない、少し広めの「街の本屋さん」で雑誌などを拾い読みしながら奥へ移動。最奥の、少し凹んだコーナーの棚に立った瞬間、あの至福の子供時代に還った。 その300冊くらいしか入らないコーナー棚は奇跡、奇跡だった のですよ 。「ワタシが本屋をやるのであれば揃えたい本」が全て揃っていた (嘘です。でもホントです) 。棚を横一列、視線を移すのだけであれだけ時間がかかった事は初めてだった。そのときは時間が無く慌てて引き上げてしまったが、それ以降、時間が出来れば「早川書店」に通うようになった。そのコーナーでの立ち読みは至福であったが、 ほとんど本は買わなかった。買う金ならある!だが、一度買ったら無限に買いそうな気がして怖かった。全く申し訳ない事をした 。  ワタシがその街を離れてから暫くして早川書店は閉店したようだ。店主である 早川義夫 氏の事を知ったのはそれからかなり後である。彼の「 ぼくは本屋のおやじさん 」(晶文社、1983年発行)に引いてある次の逸話が好きだ。  マンガ本棚を整理していた店主に、学生らしき客が声をかけた。   お客:「あの~、『思想』の本の棚はどこですか?」   店主:「うちに置いてある本は、全部、『思想』の本だよ」 「ぼくは本屋のおやじさん」 (晶文社、1983年) 前 袖に掲載の写真 (左端の人物が早川義夫氏。右ドアの奥に見えるのが奇跡の棚です)

「桜ほうさら」 宮部みゆき

[読書の繰言] 「桜ほうさら」 著:宮部みゆき     ISBN978-4-569-81013-3 (読了:2014年09月21日) ストーリーはミヤベ節でマンネリ感は避けられぬ。でも語り口がやっぱりすごくいいなぁ。 「 日本の古典をよむ12  今昔物語集」 編:馬淵和夫ほか     ISBN978-4-09-362182-3  (読了:2014年09月21日) こりゃすごい。芥川が題材に選ぶのも納得できる。現代性すら感じられる物語たち。 「内乱記」 著:ユリウス・カエサル     ISBN4-06-159234-3  (読了:2014年09月21日) 悪くはないが「ガリア戦記」のレベルではないと思う。訳者の技量か、カエサルの衰えか、ワタシが馬鹿なのか。

「むかしの味」 池波正太郎

[読書の繰言] 「アール・デコ・ザ・ホテル」 著:稲葉なおと     ISBN4-7630-0623-1 (読了:2014年09月21日) 悪くないのだが何故かピンとこない。(著者がなんだか女性みたいな感じだなぁ。彼の心の性が女性なんだろうか。) 「むかしの味」 著:池波正太郎     ISBN978-4-10-115650-7  (読了:2014年09月21日) 以前読んでいたが、やはり薀蓄のある話は何度読んでも面白い。やや懐古的かな。 「ヘミングウェイ全短編2」 著:アーネスト・ヘミングウェイ     ISBN4-10-210011-3  (読了:2014年09月21日) 残念、ひっかからない。でも「彼の別の本を読んでみるか」という気にはさせてくれる。

「イギリス 繁栄のあとさき」 川北稔

[読書の繰言] 「イギリス 繁栄のあとさき」 著:川北稔     ISBN4-478-20035-1 (読了:2014年09月06日) 20年前 (付記:2014年のコラムです) 1995年に出版された事に注目。日本の将来をしっかり見据えていた学者がいたことを。 「緊急深夜版」 著:W・P・マッギヴァーン     ISBN4-15-000469-2  (読了:2014年09月06日) ハードボイルドとしてはちょっと惜しい。内容は良いが流石に翻訳古し。 「 日本の名随筆  別巻93 言語 」 編:千野栄一     ISBN4-87893-673-8  (読了:2014年09月06日) 内容は興味深いが、このシリーズとしてはやや異色。エッセーとして読むには辛いかもしれない。

「鉄道旅へ行ってきます」 酒井順子ほか

[読書の繰言] 「鉄道旅へ行ってきます」 著:酒井順子、関川夏央、原武史     ISBN978-4-06-216693-5 (読了:2014年08月30日) 脱鉄っちゃんの拗ねっぷりが面白い。元祖オタクの成功例だなこれは。 「マイクロファイナンス」 著:菅正広     ISBN978-4-12-102021-5  (読了:2014年09月06日) マイクロファイナンスの概説と、日本における貧困の問題をざっと理解するのに好適 「逆説の日本史11 戦国乱世編」 著:井沢元彦     ISBN4-09-379681-5  (読了:2014年09月06日) 「信長の比叡山焼き討ち」が日本の政教分離を達成したマイルストーン。これは重要ポイントだと認識した。

「僕の描き文字」 平野甲賀

[読書の繰言] 「複雑な世界、単純な法則」 著:マーク・ブキャナン     ISBN4-7942-1385-9 (読了:2014年08月30日) 複雑系の進化はまだ続いている事がわかった。6段階のつながりが面白い。 「僕の描き文字」 著:平野甲賀     ISBN978-4-622-07291-1  (読了:2014年08月30日) 1938年生まれの爺さんだったんかい!びっくり。「ヒラノコウガグロテスク」フォントが欲しい。 「正しいワンマン経営」 著:伊藤大博     ISBN4-88399-124-5  (読了:2014年08月30日) 常識的だが妥当な内容。結果責任と実行責任の切り分けは重要ですね。

「数の魔力」 ルドルフ・タシュナー

[読書の繰言] 「もしも月が2つあったなら」 著:ニール・F・カミンズ     ISBN978-4-487-80494-8 (読了:2014年08月03日) 内容は良いのだが、「シリーズ第二弾の悲劇」か。やはり一作目を超えるのは至難の業ということだ。 「別冊太陽 平田篤胤」 編:米田勝安・荒俣宏     ISBN4-582-94468-X  (読了:2014年08月03日) 何度も言うが「『別冊太陽』に外れなし」。本書も内容が充実しているし、しかもイノマタ。 「数の魔力」 著:ルドルフ・タシュナー     ISBN978-4-00-005534-5  (読了:2014年08月30日) ちと読みにくし。飛ばし読みをお薦めする。そうしないと全体像が見えてこない。 (付記:読み飛ばして後で通読する。以前はやらなかった読書法だが、この本からちゃんと出来るようになった気がする。改めて岩波書店に感謝する。)

「日本の名随筆 定年」 山田智彦

[読書の繰言] 「日本の名随筆  別巻20  定年 」 編:山田智彦     ISBN4-87893-840-4 (読了:2014年08月03日) 職がなくなってもみなさん悲観的でないのは何故だろう。文筆家は人間ができているのか、不思議でならない。 「 ベスト・アメリカン・ミステリ  クラック・コカイン・ダイエット」 編:S・トゥロー他     ISBN978-4-15-001807-8 (読了:2014年08月03日) ストーリーは引き込まれるのだが読んでいて辛い内容が多かった。当たりまえだが編者者と読者の相性はアンソロジーの大きな要素だ。 「奥の細道 俳句でてくてく」 著:路上観察学会     ISBN4-87233-704-2  (読了:2014年08月03日) よかれ悪しかれ赤瀬川流。ワタシは好きだけどね。

「水滸伝19」 北方謙三

[読書の繰言] 「水滸伝19」 著:北方謙三     ISBN978-4-08-746282-1 (読了:2014年07月13日) この終わり方しか無い、そのようなエンディング。 (付記:全19巻の途中巻コメントも纏めてここに置いときます。ご参考ま、、にはならんか)      12巻:ついに晁蓋を殺してしまった。あと8巻どうつなげるのよ?      13巻:108人もいるから惜しげもなくどんどん殺す北方さん      16巻:暗闘、謀略、暗殺、、、不思議と卑怯さが現れないのは著者の共感ゆえだろう      17巻:ここあたりから楊令伝への序章開始。Part2を意識すると伏線が卑怯に見えますぜ北方先生      18巻:惜しむらくは楊令の持ち上げ方が唐突すぎる。林冲と公孫勝の関係は悲しいほど美しい 「ベスト・アメリカン・ミステリ ハーレム・ノクターン」 編:J・エルロイ他     ISBN4-15-001768-9 (読了:2014年07月13日) ハードボイルド主体の短編集で特に少年野球の話が良い。ハードボイルドの文体リズムは直截、でも主人公の心は後悔で捻じれている。 (付記:ハードボイルドを読むのは現代人の心のデトックスになり得る、と騒がしいSNSを眺めながらぼんやり思いました) 「ナチュラル・ナビゲーション」 著:トリスタン・グーリー     ISBN978-4-314-01110-5 (読了:2014年08月03日) 意外な拾いもの。押しつけがましくないのが心地よい。さすがに紀伊國屋書店は良い仕事をしていますなぁ。

「仕事の手帳」 最相葉月

[読書の繰言] 「子どもの難問」 著:野矢茂樹     ISBN978-4-12-004558-5 (読了:2014年06月15日) 編者の言う「読者層を無視して、自分勝手に答えている」哲学者が潔い。それでこそ大人。 「紳士同盟」 著:小林信彦     ISBN978-4-594-05703-9 (読了:2014年06月15日) ストーリーはありがちだが、小林氏の筆力で読ませてくれる。 「仕事の手帳」 著:最相葉月     ISBN978-4-532-16927-5 (読了:2014年06月16日) やっぱりこの人は本物だ。さらっと書いているが凄まじい努力と挫折が隠れている。

「世界の戦争史」 ロジャー・パルバース

[読書の繰言] 「神道はなぜ教えがないのか」 著:島田裕己     ISBN978-4-584-12395-9 (読了:2014年06月08日) 前半は?だが、後半にかけて調子が出てくる。残念ながら新書では尺が短すぎる。もう少し長さが有ればなぁ。 「ゴムの惑星」 著:赤瀬川原平     ISBN4-416-29503-0 (読了:2014年06月08日) 巨匠の脱力は相変わらず気持ち良いですな。壮年時代から老人力があった方なので、ワタシには真似できません。羨ましい限り。 「世界の戦争史」 著:ロジャー・パルバース     ISBN978-4-7976-7265-7 (読了:2014年06月11日) 視点がへんなヒューマニズムに毒されていないため、近代戦の本質をえぐった内容になっている。

「帝国」 スティーヴン・ハウ

[読書の繰言] 「十二人の評決」 著:レイモンド・ポストゲート     ISBN4-15-001684-4 (読了:2014年05月28日) 悪くはないが現代目線では高評価は出来ない。つまり本格推理小説も時代とともに進化しているという当たり前の事実を知る。 「帝国」 著:スティーヴン・ハウ     ISBN4-00-026867-8 (読了:2014年06月08日) 惜しむらくは短い。この倍のページが無いと著者は持論を十分に展開できないのではないか。 「 フェラーリの主題による変奏曲 」 著:田中武道     ISBN4-7952-2568-0  (読了:2014年06月08日) [劇毒注意] これはすごい!読むと死ぬぞ。 (付記:ペダントリーが嫌いではないワタシだが、これは特記に値する酷さだった。 「バブル期の、自己陶酔感にみちた独善性」を知るには良い資料 だが、時間の無駄だ。 あまり悪口は言いたくないが「毒物」の表示は必要だからね。) (付記2:実はもう一冊とってもウズウズする本があるのだが、「2番目に酷い本」なので未来永劫コメントしない。 「悪名は無名に勝る」は残念ながら本当だ 。 )

「日本の古典をよむ11 大鏡・栄花物語」 橘健二ほか

[読書の繰言] 「 日本の古典をよむ11  大鏡・栄花物語」 著:橘健二ほか     ISBN978-4-09-362178-6 (読了:2014年04月26日) 大鏡が面白い。いわゆる時の政権に対する提灯記事だが、実に芸がある。 「古事記の宇宙論」 著:北沢方邦     ISBN4-582-85248-3 (読了:2014年04月26日) ちょっと牽強付会の感もあるが、日本的な思考の源流が少し見えたような気がする。 「池波正太郎:京都・大阪のうまいもの」 著:コロナ・ブックス     ISBN4-582-63320-X (読了:2014年05月09日) コロナ・ブックスはこの手の本を作らせたらピカイチ。良い時間潰しになる、、って感想文は前も使ったな。

「ニッポン - ヨーロッパ人の眼で見た -」 B・タウト

[読書の繰言] 「帝国以後」 著:エマニュエル・トッド     ISBN4-89434-332-0 (読了:2014年04月26日) 人口動態統計が未来予測に一番確実という慧眼。仏人らしく米国への批判が辛辣だ。 「保永堂版 広重 東海道五拾三次」 著:鈴木重三ほか     ISBN4-00-008080-6 (読了:2014年04月26日) 浮世絵の漫画性が見事にわかる。十分現代的な芸術だ。 「ニッポン - ヨーロッパ人の眼で見た -」 著:ブルーノ・タウト     ISBN978-4-393-42454-4 (読了:2014年04月26日) たった2カ月で日本の本質を見抜くタウト恐るべし。翻訳者も畏るべし。久々の「べし」本。

「100年予測」 ジョージ・フリードマン

[読書の繰言] 「書物の王国2 夢」 編:書物の王国編集委員会     ISBN4-336-04002-8 (読了:2014年03月29日) ミヤベの短編が何度読んでも泣かせる。 「「Gゼロ」後の世界」 著:イアン・ブレマー     ISBN978-4-532-35522-7 (読了:2014年03月29日) どうやらこの考え方が現在のホワイトハウスを動かしているようだ。実行力不足が惜しまれる。 (付記:これは2014年時点の話だが、2026年現在も状況は変わっていない。演者は変わったけどね。) 「100年予測」 著:ジョージ・フリードマン     ISBN978-4-15-209074-4 (読了:2014年04月13日) 前半の解析に感心するも、後半のSFが大笑い。よっぽど日本が怖いらしい。

「サティ弾きの休日」 島田璃里

[読書の繰言] 「日本はなぜ貧しい人が多いのか」 著:原田泰     ISBN978-4-10-603648-4 (読了:2014年03月22日) なかなかまともなエコノミスト。とはいえ、客観的データを駆使しても主観的解釈からは逃げ出せない経済学の喜劇。 「サティ弾きの休日」 著:島田璃里     ISBN4-7887-0271-1 (読了:2014年03月22日) 前半では塩野・最相レベルを期待したが、後半が残念。だが「女性ピアニストのコラムに外れなし」の好例。 「職業犬猫写真家」 著:新美敬子     ISBN4-8179-0014-8 (読了:2014年03月22日) 真っ当な女性である。だからこそ文章の女性性が濃厚で、そこだけが私には向かなかった。読む人を選ぶ本だ。

「水滸縦横談」 井波律子

[読書の繰言] 「水滸縦横談」 著:井波律子     ISBN978-4-267-01948-7 (読了:2013年12月22日) この人の中国奇談は、どの本も派手さはないが面白い。さすが律っちゃん! (面識はないが) 「ナンセンス・カタログ」 著:谷川俊太郎、和田誠     ISBN4-480-02605-3 (読了:2013年12月22日) 谷川さんの変人ぶりとワタシは似ているような気がする。いや、過大自己評価だ。失礼しました。 「日本の難点」 著:宮台真司     ISBN978-4-344-98121-8 (読了:2014年03月01日) 実に複雑な著者である。おもしろい。けど、友達にはしたくない。

「書物の王国19 王朝」 須永朝彦

[読書の繰言] 「書物の王国 19  王朝」 編:須永朝彦     ISBN4-336-04019-2 (読了:2013年12月22日) 相変わらずクセ球直球隠し球、読者の無理解を恐れない国書刊行会の編集っぷりが流石だ。 「もしも月がなかったら」 著:ニール・F・カミンズ     ISBN978-4-487-76113-5 (読了:2013年12月22日) これはもう立派なハードSF。落ちが強引だが構成としては効果的。 「卵をめぐる祖父の戦争」 著:デイヴィッド・ベニオフ     ISBN978-4-15-001838-2 (読了:2013年12月22日) 「キャッチ22」を思わせる佳作。

「ピアニストという蛮族がいる」 中村紘子

[読書の繰言] 「別冊太陽 柳 宗理」 著:湯原公浩     ISBN978-4-582-94555-3 (読了:2013年07月27日) 派手な作品は無くとも地道な仕事が多い。これこそ優れたデザイナーの真骨頂。 「ピアニストという蛮族がいる」 著:中村紘子     ISBN4-16-346080-2 (読了:2013年10月27日) 「 一流の人は一流を知る 」とはこの事。知識と経験がよく調和している。 (付記:高校生の時に中村さんのピアノ演奏を一度だけ聞く機会があった。 冗談抜きで鳥肌が立った 。シロートのワタシをも感動させる中村さんは、一流をさらに超えていた。) 「ピアノの歴史」 著:小倉貴久子     ISBN978-4-309-27086-9 (読了:2013年10月27日) 過剰な思い入れのない、淡々とした良い本だと思う。 (付属CDの音楽もまた良い)