何か盗まれたものはありませんか?
どんだけ困ってたのよ
1980年代前半に地方国立大学に通っていた。当時、地方に住んでいるビンボー人にはそれしか選択肢がなかった(今は国立大も授業料がかなり上がった。日本国として正直ヤバいと思うが、ジジイの繰言だな。そうか繰言か)。なにせビンボーなので住む場所も極力安い所、「四畳半+流し台、バス・トイレ共用」という「今では探すこともできまい」という月1万5千円(電気代、ガス代コミコミ)の下宿に入居した。ともかく何もない。暖房?こたつなら何とか。エアコン?ある訳ない。テレビ?ない。当時はスマホどころか携帯電話すら存在せず、インターネットもまだ一般公開されていない時代で、そちらにお金を使う必要が無かったのが幸いと言えば幸いか。それにしてもネット無しでどうやっていたのか全く思い出せない。でも4年間やってきたのだから、まぁ可能だったのですわな。
とりあえず雨風を凌げるだけでありがたい状況でも困るのが食事。今も碌に料理も作れない62歳児だが、当時はそれ以前に食材を買うお金が無い。近くにあった「ヤマザキデイリー」ではお店で食パンを焼いていて、たまに大量の「パンの耳」をビニール袋一袋100円で売ってくれたので、それが主食。いまでも「ヤマザキ」様には足を向けて寝られません。まぁ、同期生には「ペットの餌にするので、このクズをちょうだい!」と言ってスーパーから野菜くずを強奪する猛者もいたからワタシなどは可愛いものだ。
そんなある日、授業から帰ってきたら何もない部屋のレイアウトが出た時と少し違う事があった。まぁ気のせいだろうとその時は思ったのだが、後日、警官が来て「別件で逮捕したドロボーが、この部屋にも入ったと自供したが、何か盗まれたものはありませんか?」(彼の半笑いの目は「無いよね!」だったが)。このビンボー学生の部屋に盗みに入るって、どんだけ困ってたのよ?下には下がいると感じ入った冬だった。ぁぁ腹減ったぁ。
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