ここをどこだ思ってる?

[仕事の繰言] 情報のスピード

 技術営業もどきで出張を繰り返していた2000年代中ぐらいのシリコンバレー。いくつものベンチャーを訪問して売り込みを図っていたのだが、某社で行ったプレゼンの内容が、その某社のライバルベンチャーに筒抜けだったことが何度もあった

初めて訪問したベンチャーの初めて会う担当者に、プレゼンのイントロをいきなり遮られた。

客:「そこは知ってるから飛ばして」
私:(困惑)「、、、なぜご存じで?」
客:(ニヤリと笑い)おいおい、ここを何処だと思ってる。シリコンバレーだぜ

前日にライバル会社で行ったプレゼンだったのでビックリしたが、同時に妙に納得してしまった。「そうか、これがシリコンバレーか」。

* * *

 当時、国内電機メーカー各社は長い停滞期に入りつつあり、トップダウンの経営改革が競われていた。だが、現場レベルでは既に勝負がついていたように思う。

 某社はその煌びやかな先端イメージとは裏腹に情報流通の悪さが際立っていた。同じ課なのに相手が変わるたびに何度も同じ説明を繰り返さなければならなかった。しかも管理職に課長・統括課長など似たような役職が沢山あって、どちらがより上位の決定権があるのか外部の人間には分からない(それとなく社員にも聞いたが、いまひとつ説明の歯切れが悪い。たぶん社内でも訳が分からなかったのだろう

 比べて別の某社。いかにも「ニッポン株式会社」の鈍重なイメージの会社だったのだが、社内での情報の共有が早かった。午前中に購買に説明した内容が、午後いちに会った技術部のエンジニアに下りている

私:「初めてお会いしますので、ご提案の背景説明から、、、」
客:「ああ、その部分は購買から聞いてますので、飛ばして技術検討に入りませんか」

と非常にスピーディ。この時あのシリコンバレーでの会話を思い出し、おもわずニヤリとしてしまった。勝負あったな。

 情報は流れてこそ意味がある。生きた現場は、それを知っている

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