Why not?

[まあ座れや] ご一緒にポテトはいかがですか?

 2000年代前半くらい迄のことだが、マクドナルドでハンバーガーを頼むとクルーのお姉さんが「ご一緒にポテトはいかがですかぁ?」と押し売りしてきた。どうやらフライドポテトは売れば売るほど儲かる商品らしい。「で、では、それも」と気の弱いワタシはしょっちゅう餌食になっていたが、さすがに後ろめたかったのか「スマイル0円」(死語)をトッピングして下さった。いまは押し売りも無くなり良い時代になったものだ、としみじみ思う。下手すりゃセルフオーダーだしな。

 同時期の米国、ポートランドに行ったときの事だ。ホテルにチェックインしたのが夜遅くなり、明日の打ち合わせを考えるとレストランでの夕食の時間がもったいない、早く寝たいよ、という気分だった。部屋から見下ろすと近くにマクドナルドがある、あそこでいいか。さっそく店に行くが、クルーがアメフト選手みたいな巨大な黒人男性で、スマイル0。チキンなワタシ(パテはビーフだが)には結構怖い。時間が時間なだけに客がほとんどいないのも心配になり、テイクアウトで注文する。

私:「ビッグマック一つ、コーラMを一つ、持ち帰りでね」

ク:「一緒にポテトはいらんか?」

私:「いらないよ」

 英語だと断れるワタシも不思議ちゃんだが、もっと不思議はそのあと襲ってきた。

ク:「Why not?」
ふ、ふわいのっと?ポテトを断る理由を要求するのかい、お兄さん。

私:「お、おなか一杯だから」

ク:「ふん」

放り投げるように渡された紙バッグをひったくって逃げ帰ったが、後にも先にも「なんで?」と聞かれたのは、あの時だけだ。

 今でもたまにマクドナルドへ行く。もう「ご一緒にポテトはいかがですか?」と聞かれることはなくなった。だが時々、クルーのお姉さんが「なぜですかぁ?」とうるんだ目で追及してくれないかと、ちょっとだけ期待するときがある。

 ちょっとだけね。

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