さらば原付

[日々の繰言] ホンダの「バタバタ」をご存じか?

 ホンダの「バタバタ」をご存じだろうか?おそらく実際に街中を走っている「バタバタ」を見た人は稀だろう。

  1960年代後半、転校先のド田舎で不思議な自転車を見た。どう見ても自転車だがサドル前にヘンな装置がついていた。ワタシは当時なにせ小学2年生、好奇心が抑えきれずそのヘンな装置を触ってしまった。すると爺さんが「こらこら、触るとあぶねーぞ」と言いながら笑い顔で家から出てきた。さすがに「ごめんなさい」と謝ったが、「これ、なぁに?」「これはバタバタだ」「バタバタ?」「エンジン掛けっから見てな」。サドルにまたがり数回ペダルを踏みこむと、なるほど「バタバタ」と走り出した

 ヘンな装置はエンジンで、今でいえばアシストサイクルの様なモノだった。後にスーパーカブへと発展する「原動機付自転車」(そのまんまだね)の始祖であり、その後「バタバタ」にもバイクナンバーを付ける法律が出来たようだ。だが田舎じゃだれも気にしちゃいない。ナンバーもヘルメットも無しで、爺さんノンビリ走っている。これに限らず、今思えば「法律的にどうよ?」といったグレーゾーンなクルマやらバイクやらが沢山いたと思う。「やっちゃったもの勝ち」の危なくも長閑なモータリゼーション勃興期だった。 

 近年は新しい小型モビリティの参入もあるし、モータリゼーションの面白い時代になりそうなのに、いまひとつ盛り上がって来ない。1960年代のあの「緩さ」「いい加減さ」があれば、法整備が多少追いつかなくてもモビリティの多様化は勝手に進んでいくのに、惜しいなぁと思う。まぁ「常識を信じる。勝手にやれ」と言うわけにも行かないのが現代というものなのだろうな。 

 今年(2025年)ついに50cc原付が生産中止となる。「いつかスーパーカブを買ってノンビリ全国を走りたいなぁ」と思っていたが、その「いつか」はもう来ない。

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