Don't Look Back

[読書の繰言:戻らぬ日々 2] 

「空想自然科学入門」 著:アイザック・アシモフ

ISBN(未対応時代) (読了:1978年ころ と 今)

 タイトルを見てBostonを思いだした人はワタシと同年代の老人、Oasisなら中年さん、今の人ならマンガを連想するかな。でも全然関係ありません。

 アイザック・アシモフ「空想自然科学入門」という科学エッセイを高校生の時に読んだ。ワタシは理系人間だろうと自分では思っていたのだが、学校の成績は文系教科の方が良いという情けない落ちこぼれだった。因みに、「興味があっても無能」と「興味が無くてもソコソコ」の何方かの人生を選べと言われたら、アナタどうします?高校で進路を決める必要があり、このまま成績だけで文系を選んでいいのかなぁ、という悩んでいるときに、この本に出会った。

 アシモフはSF作家だが生化学者でもあり、途方もない博覧強記で知られる。この本のエッセイも生物学、化学、物理学から天文学までとんでもなく広い科学トピックを扱っている。英語原本は1963年出版で、15年後に日本語に翻訳された時点で既に内容は古くなっていた。だがこの本に感じた凄さは、個々の情報の多さ・正確さではなく、「えっ、そんな所に関係してくるの!」と言う「分野を横断した知のつながり」の連鎖にあった。高校生のワタシはビックリした。やはり科学はすごい。と言うわけで、己が能力をガン無視して理系を選択した。いわばワタシの人生を決めた(狂わせた)一冊だったわけだ。

 先日ふとこの本を思い出し、近くの図書館から借りてきて半世紀ぶりに読み返した。隠居のワタシはビックリした。なんじゃこりゃ。若き日に興奮した「分野を横断した知のつながり」は何処にあるんじゃ!なんだか「感動サギ」に遭った様なガッカリした気分になった。

 だが「その時、感動した」という事実は消えない。たとえそれが青臭い感情だったり、誤読だったとしても、だ。しかし、振り返って「あの時の感動」を「もう一度」追体験するのは不可能だ。大切な思い出は遠くの過去に埋めておけ。墓を掘り返してはいけません


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