「肩書なんて関係ない」か?
[仕事の繰言] 肩書の魔法
技術営業として海外顧客への訪問が増えた2000年代のワタシの肩書は「課長:マネージャー」だった。そこをリストラされ、次に外資系メーカーで営業職に就いたが、肩書が「アカウントマネージャー」。う~ん、ヒラなのにマネージャーって。上司曰く「この意味はな、『客をマネジする』ってことや。日本人だと『課長』と間違えてくれるし、ナイスな表現やろ。ウソ言うてないし、アメリカじゃポピュラーな肩書や」だそうで、ちょっと感心した。
そのあと転々とした無名弱小企業での役職「部長:Director」レベルでは門前払いに近い扱いを海外で喰らう事が多かった。そんな経験をしたのち、海外マーケティングの仕事を請け負った某社で社長と一計を案じた。その社長も海外展開で苦労したらしく、「海外では、それなりの肩書がないと誰も会ってくれない」と言う点で意見が一致。人事ライン外の企画室をでっち上げ、ワタシがその室長という事にした。この「室長」が社長の絶妙なアイディアで、「英語で『Vice President of xx office』でどうだ。ぱっと見で『副社長』と間違えてくれる」と言うもの。「副社長」を名乗るとウソになるが、これなら「ほら、よく読んでくださいよ。xx室のVice Presidentですよ、室長ですね。」と言い逃れが利く。
「肩書なんて関係ないよ」は美しい考えだが、それは関係性が出来てからのお話。適切な肩書は、閉まりかけのドアに片足突っ込んで「1分だけ話を聞いてください!1分でいいんです」と言うための、その片足に相当する。多少強引でも話を聞いてもらわねばマーケティングなんて出来ない。実際、種明かしで「なんだよ!」という顔をされることも多かったが、少なくとも話は聞いてもらえたし、それを何回も繰り返してやっと前に進めた。
でもこのやり方、売り込みに苦労した経験がトップ自身に無いと、たぶんやらせてくれませんけど。
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