ルオーのカレー皿

[日々の繰言] 記憶にぶつかる

 先週「神田が如何に偉大なのか理解した」というコラムを書いたが、その本郷古本屋街をうろついたのが今年9月中旬。一周年記念「仕事の繰言スペシャル」を先行してアップしているうちに2カ月近く経ってしまった。老境に入ると「一日が長く一週間は短く、季節は全力で走り去りアラもう年末か」と感じるようになる。皆様、よいお年を。

 AIに相談して作った本郷古本屋ツアーマップを持って最寄り駅の本郷三丁目を降りたが、仕事で東大を訪れたのが20年近く前のはなしで、地上に出た瞬間に予想通り迷子になる始末。「さすが、俺」とため息をつきながらスマホでマップ検索していたら、「すみません。東大にはどう行けばよいですかね」とおばさんに道を聞かれた。まぁ、駅前でスマホを睨んでいる爺さんがいたので「これ幸いと」声をかけたのでしょうが、そんな奴は方向音痴に決まってますわ。聞く相手を間違えたねおばさん。「ワタシも迷ってます」とお互い苦笑いしながら一緒に道を探していると、そのおばさんの息子さんが本日卒業で赤門で待ち合わせしていると分かった。9月に卒業?と思ったが、赤門前には卒業ガウンを着た人が何人もいて記念撮影していた。後で調べてみて大学院や留学で秋卒業のシステムがある事が分かったが、世のなか知らない事だらけだな。

 その赤門から歩き出した本郷古本屋街、いきなり「喫茶ルオー」にぶつかった。「ぶつかった」としか言いようがない。1985年に関東に出てきた田舎者が街歩きガイドブックを見て「へぇ~、東大前にはルオーっていう老舗喫茶店があるんだ。一度行ってみたいな」と思いつつ、速攻で仕事に忙殺され行く機会を失った。その40年前の記憶にいきなり「ぶつかった」のでしばらく茫然としたが、品のよさそうな白人老夫婦がお店から出てきたので、入れ替わりで吸い込まれるように入った。

 40年越しで名物のカレーを食す。お皿の傷がゆっくりと歴史を刻んていた。

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