[まあ座れや] 日本が羨ましい 拡販のため、台湾の代理店候補を訪問して売り込みをしていた2014年くらいのお話。 そんな代理店候補の一つが桃園のA社。午前中の打ち合わせが終わり、近くのレストランで董事長と総経理を交えて昼食となった。董事長は当時70歳くらいの男性で流暢な日本語を話すのだが、担当の若い総経理は日本語がダメで英語での会話となる。お二人とも日本旅行が大好きで、季節毎に訪日しているとのこと。盛んに日本旅行の話をしていたのだが、話題が日本の新幹線から台湾新幹線へと移った時に、董事長がふと日本語で「日本が羨ましい」とつぶやき、日本語で次のような話をしてくれた。 「日本人はすぐに『日本崩壊』などと騒ぐが、心の底では、日本国は永久に無くならない と思っている」 「 そもそも日本人には、『日本が消えてしまう』という概念すら無いだろう 」 「だからお金をかけてインフラを整備し続ける。そのインフラが他国に奪われてしまう 可能性を全く考えないから、最高のモノを作ろうとするし、作っている」 「台湾新幹線もそうだ。日本が技術協力してくれたが、それは日本人が『台湾は永続的に 続く』という暗黙の前提で考えているからだ」 「台湾人は、台湾がこのまま続くとは誰も思っていない。だから、いつでも逃げ出せる 様に、自分のお金をインフラに投資したりはしない」 「 日本には、何処に行ってもこの『永続への信頼感』がある。その感覚は、やはり貴重 なのですよ 」 だから「日本が羨ましい」と。 「日本人には『日本が消える』という概念すら無い」。確かにカイゼン、一所懸命、一意専心は社会の永続性を疑っていては出来ない。当時から始まっていたインバウンド人気の本質は円安や「おもてなし」などではなく、その信頼感が醸し出す日本人の「無邪気さ」にあるのだと理解した。 世界はあまりにも不安定なのだ。永続への暗黙の信頼感が損なわれない 現代日本に生まれた幸運に、そのとき初めて感謝した 。
コメント