思い込み

[まあ座れや] 阿蘇でスタッドレス

 ワタシは趣味としての旅行を全くしない。会社に入るまでは国内外ともに異郷はほとんど何処にも訪れたことが無かったので、世界各地はもとより国内の風習にもまだエキゾチックな思いがあった。インターネットが普及する前は情報を入手する手段が活字やテレビに限られていて、各地の情報が希少だったからだろう。だがネット情報が洪水の様に流れ込むようになってからは、そのような「無知ゆえのエキゾチシズム」は減っていった。奇麗な景色、おいしい料理、意外な習慣、秘密の路地裏。タッチひとつで何でもわかる。あぁ飽きた、アタリマエじゃん、つまらんなぁ

 現役最終期の15年間は仕事で日本国内を移動することが多くなった。訪問先がイナカにある事も多く、空港や駅でレンタカーを借りて移動する事がほとんど。ある冬の事、大分市から熊本市まで九州を自動車で横断するためレンタカーを法人向サイトで予約した。タバコ吸うヤツがいるから喫煙車、チャイルドシートはいらないよ、スタッドレスもいらんなぁ。暫くしてそのレンタカー屋さんからオフィスに電話が入った。「スタッドレスオプションをお忘れではないですか?」。へっ?「途中で阿蘇を通過するので雪が降る可能性がありますよ。スタッドレスをお勧めします」。それまで九州の地は人生のレンジ外。馬鹿な話だが「九州で雪が降る」という事を全く想像していなかった。それは地元の常識であろうし、ネット上にもそのような情報はあった。だが「想像できない事」の情報はあってもなくても「無い」のと同じで、現実に遭遇して初めて「えっ?」と意外に思う

 海外出張では「やはり日本とは違うよな」という感覚が意識の底にあり、「違い」に対しては驚きはすれども意外感はなかった。だが国内の場合は同質性への思い込みの為だろう、小さな差が意外感につながる。それからは国内出張の方が俄然面白くなった。

 思い込みをひっくり返す小さな意外感。それは結構身近にある。


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