なにやってんの俺?
[まあ座れや] プルタブを開ける音に
忙しいには大きく分けて「仕事が忙しい」「家庭が忙しい」の二種類があるが、いずれも「何でこんなに忙しいんだよー、ガーっ!!」と吠えていた時が人生で一番充実していた時期だったのだなと、今は隠居の身で何もやることが無いワタシは思うのです。現役の皆さん、今のうちに吠えられるだけ吠えてくださいね。(重要:もし貴方が死ぬほど忙しく、でも「ガーっ!」と思えないのであれば、それは「鬱」です。誰でもいい、助けを求めなさい。)
休題。ワタシにとって2004~2005年が「何が何だかわからんが仕事が忙しい!ガーっ!!」だった。あれが仕事人生のピークだったと思う。台湾へ夕方に出張し翌日顧客と打ち合わせ、その晩に現地代理人と飲んで、その深夜0時ジャストに台北発、サンフランシスコに同日21時位に着。空港からレンタカー移動でサンノゼの定宿ホテルにチェックインしたのは深夜1時だ。翌日(ああ、もう当日だ)はサンノゼで打ち合わせしたのち、夕方カナダへ移動の予定だった。突然無性にビールが飲みたくなり、ホテル近くのセーフウエイに買いに行ったが、「深夜2時から酒は売れないんだ」とレジでビールパックを取り上げられた。すごすごとホテルに引き上げ、やむを得ずホテルの冷蔵庫からバカ高いバドワイザーを取り出し、ベッドに腰を下ろしてプルタブを開けた瞬間、思わず笑いが込み上げてきた。「なにやってんの俺?」。
そのような「ガーっ」の渦中では、何で忙しいのか?この忙しさの先に何があるのか?という事すら考えなくなる。鬱の状態に似ているが、こちらは躁状態。何かの切っ掛けさえあれば我に返ることができる。ワタシの場合その切っ掛けはプルタブを開ける「プシュッ」だった。その後、仕事の流れのコントロールを意識するようになった(上手く行ったかどうかは別の話だ)。
あのプルタブを引かなかったら、無自覚な多幸感のうちに過労死してたのではないだろうか。老いた今はもう、あの音を懐かしく思い出すことしかできない。
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