酸いか甘いか毒リンゴ1
[仕事の繰言] ついに奴らがやってきた!
2013年秋、上海の産業機械展示会で現地代理店E社(仮名)のブースの一画を借りて一週間の展示を行った。これといった注目も集めず、さりとてガン無視された訳でもない「いつもの展示会」感が満載で、そのあたりは日本での展示会と変わらなかった。
最終の土曜日。「そろそろブースを閉めるか」という午後遅く、ある男女がブースにふらりとやってきて英語で話しかけてきた。二人とも外見は東アジア人。
男:「あなたは日本人の説明員か?」
私:「そうです」(ワタシの名刺を差し出す)
男:「この工具は、あなたの会社で開発したものか?」
私:「そうです。全て一貫して日本で開発・製造しています。こちらのカタログを、、、」。
女が手を振り、
女:「いらない。内容はもう分かっている」
私:「???」
女:「うちの工場が欲しがりそうな工具なのだが、このE社を通しての販売か?」
私:「中国内での商流が無いのでそうなります」
すると、女の方がE社の社員の方にぶらりと移動して話しかけ、私と男を隠す形を作る。男がすこし顔を近づけ、小さな声で
男:「E社は飛ばして、うちと直接取引しないか?」
と、名刺を差し出す。左側に「赤リンゴ」ロゴのある名刺。夢にまで見た、スマホ最大手の一つA社(仮名です)の名刺。この工具のターゲットの一つはスマホ工場だ。正直に言おう。差し出された名刺を見ながら3秒以上は固まったと思う。
私:「さ、さすがに、今すぐそれは出来ないと思う(悲しいかな、この時まだワタシは日本人的な「義理・人情」に縛られていた)」
男が薄く笑い、
男:「深圳に会わせたいエンジニアがいる。興味があれば紹介する」
私:「お願いします!」
男:「都合の良い候補日を私にメールしてくれ。エンジニアへの連絡先を教えるから」
ぶらりと女が戻ってきて一言、
女:「連絡をまってます」
きたぁぁぁぁ~~~~~ッ!。
(続く)
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