ここからイナカです!

[日々の繰言] 「京終」にて

 「桑名に出張するついでに天理で打ち合わせしてきてよ」と言われて電車で天理まで移動した事がある。「ついでって言う距離かよ?」と思ったのだが、仕事だからしょうがない。途中の近鉄線は、単線かと思うような狭い密林のトンネルを這うように進んでいく。「なんちゅう山奥だ」と眺めていたが、そこはそれ古の平城京を擁する奈良盆地。最後は都会に出てほっとした。天理駅へ向かう途中で、遠足なのだろう、引率された幼稚園児たちがワラワラと電車に乗ってきた。おてて繋いだ男の子が女の子に言う。「ほんでな、かあちゃんが言うとったんや」。園児に関西弁は反則である。世界中の戦争、紛争地域に彼らを投入したら、速攻で平和が訪れるであろう。園児たちが次の駅で降りるのを見送りながら思った。

 天理での打ち合わせが終わり京都へ移動する。そろそろ奈良駅か、というあたりで車内アナウンス「次は、きょうばて、きょうばて、です」。駅に着き、扉が開く。駅名が目に飛び込んでくる。

「京終きょうばて」

きょうばて?「ここで都会終わりっ!」てか???

 私は埼玉人である。「池袋駅にある埼玉領事館でパスポートにスタンプを押してもらわないと、東京には入国できないぞ」「いいか、東京に入ったら誰にも目を合わせるな。サイタマに強制送還されるぞ」とさんざん脅された関東被差別県民である。この手の「都会人の隠微な差別意識」には敏感だ。「京終」は「平城京が終わる」という意味で千年以上前から続く由緒正しい地名らしいが、それにしても思い切った命名である。当時、地元民のレジスタンスは無かったのだろうか?

 などと思いながら京都駅に着く。東京行き新幹線で缶ビールを開けながら、「そういや京都府知事が『京都はもともと首都やから副首都なんて要らん(意訳)』と言ってたが、東海道新幹線に『京終』駅を作れば解決じゃん」と思いつつ、ほろ酔い気分で帰京した。

って、京都から「帰京」かよ、おい。


コメント

このブログの人気の投稿

これで花粉が無ければねぇ

木陰であやうく ボケ老人

「ナンシー関 対談集:無差別級」 ナンシー関

食べること 生きる基本だ 忘れるな

「月光」 林完次