そんなつもりはございません!
[まあ座れや] お役所文学
1987年に最初に買った自動車が10年落ちの中古MINI、何かと手のかかるクルマだった。エンジンをかけるだけでも色々な「儀式」が必要で、ハイテク現代人には全く向かない癖の強い車だった(老いた今では、ワタシだってお付き合いは御免だ)。だが自動車好きな友人はそれを見て「ええなぁ、色々やる事があって」と羨ましがった。マニアとはともかく困った人種で、不便を楽しむ癖があり、マイナー志向も甚だしい。まぁ、どんな趣味でもそうなのかもしれない。
そんな変わり者が更なるマイナー化を考えた挙句、自動車雑誌で見かけたオープンカーへの改造を考えた。海外のコーチビルダーがMINI改造をやっていると聞き込み検討したのだが、「120万円で購入した中古車を、350万円かけて改造するために西ドイツ(おい!)に輸出する」なんて気が狂った事を真面目に検討していた私たちはバブリーな馬鹿でした、はい。輸出入手続きの煩雑さと追加経費の莫大さにビビッて断念したが、やはり「走りながら青空を見たい!」という欲望は消えず、国内で対応可能な「サンルーフ後付け改造」で我慢することに落ち着いた。こちらは確か20万円位だったと思う。
「屋根に穴を開ける」という車体構造変更になるので、当時は陸運局に改造申請書で事前にお伺いを立てねばならず、カスタムショップが申請書類一式を用意した。改造申請者であるワタシのサインが必要なので書類を読んだが、膨大な強度計算書や改造図面はともかく、「改造理由」を読んで悶絶した。
「本改造は、当該改造による走行中の換気性能の改善により運転手の運転操作への集中能力を増進し、もって運転安全のさらなる向上を図る事を目的とする」
い、いえ、決してそんな大それた目的はミジンもございませんっっ!
けっきょく許可は下りて改造できたのだが、初めてサンルーフを開けそよ風に微笑んでいたワタシの頭には、このお役所ブンガクがこだましていました。
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