みんなで一緒にボコボコに
[仕事の繰言] 昔からそうさ
先日、ホンダが大赤字を出したというニュースを見た。記事では原因についていろいろ解析していたが、それを読んでいてふと思い出した。
ホンダの創設者である本田宗一郎氏が一線で活躍していた昭和期に、「わいがや」という開発方法が話題になった。これは大部屋にメンバーが集まって文字通り「ワイワイ、ガヤガヤ」と議論すること。当時のマスコミは「組織の垣根を超えたコミュニケーションの理想形」みたいな扱いで絶賛していた。ある講演で、この「わいがや」を立ち上げた方の話を聞いて笑ってしまった。実際は「本田宗一郎という天才と一対一で戦うのは無理だから、数を頼みに宗一郎を取り囲んでボコボコにしないと意見なんか通らない。あれは結果的にそうなっただけで、綺麗な話じゃないんだ」だそうだ。
1970-80年代に中東で資源開発をしていた、いまは引退した商社マンと話す機会があった。当時の現地での途方もなくスリリングな話を笑って話しておられたが(エピソード自体は笑える内容ではない、死地を彷徨う様な話だ)、その中で「当時、日本のマスコミから後ろから撃たれるような扱いを受けた」という話が出てきた。その瞬間、怒りでも悲しみでも無い、何と呼んでいいのかわからない表情で「A新聞だけは許さない」とポツリと言って、すぐに元の笑顔に戻った。
一緒に仕事をしたある中小企業の社長さんは若いときに大企業を飛び出しベンチャーを成功させた方で、60歳で大学で学びなおしをするような知的好奇心にあふれる方だった。その彼が、ベンチャー立上げ資金をかき集めるためいろいろなチャネルにアプローチしていた時期に、マスコミにも接触したらしい。細かいことは聞けなかったが、「連中は『結果』しか見ないんだよ。途中経過には全然興味がない。あなたも(マスコミは)迂闊に信じない方がいい」としみじみ忠告された。
マスコミは都合の良い「結果」しか見ない。仰る通りでした、先輩がた。
コメント